九兵衛の「経済自悠人」

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お金や経済について人の無責任な言動や状況の変化に動揺せずに落ち着いた心を自由に保てる人を「経済自悠人」と呼んでいます。

九兵衛のちょっこり投資 定例会 - 2024年予測編 23/12/31 明日公開します

前回、記事を書いた22日に小学生の孫を預かりインフルエンザをうつされました(泣)。

本日に至るまで、書斎に布団を持ち込んで寝泊まりし隔離状態。

病院に行ったのが26日(火)なので、まだ薬を飲んでいますが、だいぶ良くなりました

(^^)

 

さて、九兵衛は今まで2つの証券投資チャンネルをやっていたのですが、効率が悪いので今回から統合しました。

今までは:

九兵衛のちょっこり投資 朝会:これは2週間に一度の相場の定点観測の番組で15分程度で、隔週日曜日の朝6時の配信。

九兵衛のちょっこり投資のススメ:これも2週間に一度ですが、全くの初心者向けの解説番組です。

 

今回統合した定例会はちょっこり投資のススメのチャンネル名を変更しています。

そのため、初心者の方が勉強のために過去動画を観たいという場合でも遡ってご覧いただけます。

今後、定例会のコンテンツには定点観測に加えて、ちょっと難しそうな相場の話も入ってくるかもしれませんが、その場で解説したいと思います。

 

たった今、明日31日朝6時に公開予約のアップロードが完了したので、明日ご覧いただけます。

https://youtu.be/1nWjHJljlOU

 

国際詐欺には絶対あってはダメ:欧州連合の付加価値税にも詐欺が(2)

これは実話です。

欧州連合EU)域内では日本の消費税に相当する付加価値税(VAT)がありフランスではTVA (la Taxe sur la Valeur Ajoutée)と言います。

私が経営する会社でフランスに子会社を作った時の話です。小さい会社なので、設立などは現地の法律事務所を活用したものの、ほとんどの作業は勉強も兼ねて自分で行っていました。

中小企業が中国や東南アジアに海外進出することはあっても、何の縁もゆかりもない欧州に、しかも完全に単独で進出するのは珍しいケースです。

 

子会社の設立登記が終わって進出して間もない頃、事務所に1通の書簡が届きました。

Enregistrement Intracommunautaire (コミュニティ内の登録)というタイトルで発行人はEUR SERVICE Quartier Européen(ユーロ通貨サービス・ヨーロピアンクォーター)というベルギーの組織で、TVA(付加価値税)番号の発行に390ユーロ支払えという請求書です。

 

ん?何だこの組織?

内容を見ると、EURという透かしの紙に、登記上の住所も社名もSIRETという法人番号のすべて正しいのです。

 

しかし、「消費税の納税番号発行するから390ユーロ払え、というのは如何にも怪しい。税務当局からすれば税金取りたいんだから、普通タダで納税番号通知してくるだろ!」と思ったわけです。

 

その頃、同時に会計事務所を選定していました。2社くらいにサービスの料金や会計事務作業の流れなどを確認し、やりやすい方を選ぶという段階でした。

試しに「こんな請求書が届いたがどうも怪しい。詐欺なのではないのか?これはフランスの業者ではなくベルギーのようだが欧州連合(EU)は消費税を払う納税番号を取得するのに、カネが必要なのか?日本ではあり得ない。これを調べて、支払う必要があるのかどうか会計士として意見が欲しい。その対応で、あなたのところに会計の依頼をするかどうか考える。」

このように宿題を出したわけです。1社はなかなか回答して来ず、もう1社はフランスの地元の税務署に行き、調べてきました。結論は、「これはあなたが言うようにSPAM(詐欺)なので支払ってはダメで無視してください」ということでした。

 

私は、よくある「ナイジェエリア詐欺」やその他の「遺産を受けとってくれ詐欺」などには鼻が聞く方で、こういう美味しい話には引っかからないようにしてきました

しかし、先進国の欧州であっても、しかも欧州連合EU)の税務当局や正式業者のような顔をして騙そうとする輩がいるのだな、と注意をするように心を新たにした訳です。

 

読者の皆さんが、海外に直接投資をして会社を作るケースというのは決して多くはないと思いますが、日本を一歩出れば、詐欺を働く輩はうじゃうじゃいることを忘れないでくださいね。

 

 

 

日々の相場でひと言:2023年12月20日

相場についての日々のショートコメントです。旅行などで夜まで用事がある日はスキップします。

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TOPIX: 2,349.38 (前日比+0.67%)

ドル円:143.74円

  • 相変わらず小動きの退屈な相場。
  • ドル円も小動きです。
  • 米国は利下げ期待感で楽観的です。私も来年の前半(早い時期)に利下げがあるとは思います。年末商戦後には失業率が上昇すると思うので。でも、同時に量的引締め(QT)も行うという対極の政策が並立するかなと思ってます米国債務残高をGDPの80%くらいまでに落としたいんじゃないかな。米国のGDP25.5兆ドルで公的債務残高は31兆ドルです。つまり9〜10兆ドルくらい減らさないといけません。すると国債は償還しても新発せず。または短期債のみ新発とか。GDPの80%まで減らしても、それでもリーマン危機後のバーナンキのヘリコプターマネー水準ですけどね。
  • その場合は、ドルは予想よりは下がりません。

(終)

国際詐欺には絶対あってはダメ:イラクの通貨ぁ〜?(1)

先日、TVニュースで「ディナール通貨詐欺」の話題をやってました。

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某広域消費生活センターの事例

イラクの通貨、ディナールを持っていないか」とA社から電話があり、その後B社から「手軽にハイリターンが期待できるイラクディナール」などと書かれたダイレクトメールが届いた。
再びA社から「買値の40倍で買い取る」と電話があったので転売しようと思い、B社から25,000ディナール札を1枚10万円で4枚買った。
「買値の40倍の1,600万円を届ける」と言ったA社は「担当者が現金を持ち逃げした」などと言って、結局買い取ってくれなかった。
生活費すべてを使ってしまい、このままでは生活できない。
(80歳代 男性)

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そもそも通貨って。基軸通貨の3条件から軍事力の条件を除いた2条件は最低な満たしていないと通貨とは言えません。その二つは中央銀行が物価の安定に対応した金利や供給量のコントロールをちゃんとしていること。そして、いつでも物やサービスなどの財や他国通貨との交換に使える流動性があるかということ

 

私は、イラクディナール通貨のことは全然しりませんが、少なくともサダム・フセイン時代の方が良かったという国民の声が上がるほど汚職まみれで荒れている国です。

そんな国の中央銀行流動性について、私も知りません。

 

よく、この80歳代の男性は40万円も支払ったものだなと思います。自分で相談しているので認知症ではないのでしょうが、老化による判断力の低下やそもそもの知識不足がどんなに恐ろしいか、びっくりの出来事でした。

 

世界196カ国の国の数だけ、通貨はあります。もちろん共通通貨もあるので196種類ではありませんが。その国や地域で暮らしている人たちにとってみればその自国通貨でも良いのでしょうが、他国の人にとってみれば必ず交換できるわけではないので警戒すべきです。

 

戦後78年なので、終戦するまでに大人だった90歳代や100歳くらいの人だったらもっと警戒心が強かったかもしれません。軍票」というものを知っていたからです。

 

軍票は軍が占領地での支払いのために発行する紙幣で正式な日本円ではありません。都合が悪くなると支払いをしなくなる単なる約束手形のようなものです。しかし占領軍が発行するので、占領地の民たちは従うしかありませんでした。

 

江戸時代では各藩が自由に「藩札」を発行していました。藩の領民はそれで経済生活を送るのですが、商都の大阪商人や江戸商人では藩の信用に基づいた藩札など基本的には信用していませんでした。江戸では金が、大阪では銀がベースでした。

 

ちょうど、80歳代以下の世代は、そもそも他国の通貨って信用できるの?ちゃんと日本円に換金できるの?という基本動作がスッポリ抜け落ちている世代なのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本製鐵がUSスチールを買収した件

2023年12月18日、日本製鉄が米鉄鋼大手USスチールを149億ドル(約2兆円)で買収することになりましたね。この日のUSスチール株(NYSE:X)は+26.09%と急騰しました。

粗鋼生産量は2020年時点で:(World Steel)

1 中国宝武鋼鉄集団    中国上海     1億1530万トン
2    ArcelorMittal      ルクセンブルク     7850万トン
3    河鋼集団        中国河北        4380万トン
4    江蘇沙鋼集団      中国江蘇        4160万トン
5    日本製鉄        日本          4160万トン

なので、ここに27位のUSスチールの1400万トンが合算されると 5560万トンと3位になります。ただ、国別では中国10.1億トン、インド1億2484万トンが1位と2位で、日本はこのUSスチールを含めても1億324万トンと3位のままです。

 

ちなみに宝武鋼鉄集団は1995年のNHKドラマで山崎豊子原作の「大地の子」の鉄鋼会社のモデルです。上川隆也が熱演してましたね。新日鐵(ドラマでは東洋製鉄)が高炉技術を教えた会社がこんなに大きくなっています。

 

鉄鉱石の生産量は、1位が豪州で5億6450万トンで2位のブラジルや3位の中国の2倍以上の生産量となります。リオ・ティントやBHPなどは鉄鉱石を採掘しても大口だった中国国内の建設需要が見込めないので、今回の買収で米国の軍備用の需要を期待するかもしれませんね。

 

USスチールというと米国の再建ファンドのウィルバー・ロス氏を思い浮かべます。トランプ政権で商務長官になりましたが、元々はWRロス・カンパニーというレバレッジド・バイアウトのファンドをやっています。ロスさんがUSスチールの再建を手がけた90年代後半は米国の鉄鋼業界が退職金や年金やその他の福利厚生を含むレガシー・コストが嵩んでの業界再編でした。しかし、今回は中国包囲網を含めた経済安全保障の一環の側面が濃厚なので、ロスさんは特に絡んでいないかもしれませんね。

 

今回の買収の前に8月にクリーブランド・クリフス(NYSE:CLF)が72.5億ドルで買収提案し、USスチールはこれを拒否しています。今回はその2倍の買収額となります。経済合理性だけではない思惑があるのかもしれません。ちなみに、USスチールは鉄鋼王カーネギーが創始した名門ですが、生産量は低いんですね。

 

 

 

 

 

 

 

日々の相場でひと言:2023年12月18日

相場についての日々のショートコメントです。旅行などで夜まで用事がある日はスキップします。

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TOPIX: 2,316.88 (前日比-0.66%)

  • 小動きの退屈な相場。
  • ドル円はちょっと円安に戻しました。
  • 日銀金融政策決定会合の結果待ちと言っても、こんな師走に大きな変更もあるわけなく。
  • 米国は利下げ期待のお祭りですが、誰も馬鹿らしいと思いながら半信半疑で乗っているのでは?

(終)

おカネについて、日本人と欧米人・中国人・アラブ人を比べてみた

昔、私は証券投資の仕事をしていました。欧米やその他の国へも投資していたので「おカネ」についていろいろな感覚の違いに気がつくことがよくありました。

 

欧米の投資家は理論好きです。証券投資理論としてある程度理論が確立されているので。欧米の一般の個人投資家の人たちの実態はよく分かりません。つきあいが機関投資家と呼ばれる人たちで、年金基金や財団、投資銀行やミューチャルファンド(投資信託)、ヘッジファンドなどの人たちです。

 

これらの人たちは、経済の大きな流れや個々の銘柄などの投資対象の投資機会を捉えて、リスク管理をしながら投資目標と実績を管理していきます。投資理論というのは統計学やオペレーションズリサーチという学問をベースにしたものが多く、軍事学ともちょっと似ています。

 

投資機会というのはほとんどが「スプライス」と呼ばれるもので、「本当はこれだけの価値があって然るべきなのに、何らかの事情で割安に放置されている」というような場合です。

 

でも実際には、これって日本の女性がスーパーマーケットで買い物するのととても似ているなと思います。スーパーAとスーパーBでサンマの値段が違う場合に、交通費や時間があまり変わらなければ、間違いなく安い方に買いに行きますよね。同じような市場から仕入れたサンマでもスーパーAがイワシをより多く売りたいと考え、スーパーBがより多くサンマを売りたいと考えた場合、注目商品としてのサンマの価格は違ってきます。これが「ミスプライス」です。スーパーの事例ひとつとっても日本人はミスプライスへの発見がうまいなと感じます

 

投資機会にはもう一つトレンド」と呼ばれる現象があります。株価の上がり始めでもファッションの流行りはじめでもそうですが、最初はあるひと握りの集団の流行現象でしかありません。それが人づてに拡散したり、有名人がコメントしたり、報道されるとより多くの人たちが似たような行動をし始め、大きなトレンドを形成します。しかし、そのファッションが流行りすぎて特別感という価値がなくなったらそのトレンドの終わりが始まります。株価でもあまりにも価格が高すぎると、大丈夫かなという不安感が出てきて上昇トレンドの終わりが始まります。

 

このトレンドのスピードが速く熱狂的なのが中国の人たちです。不動産投資にも殺到し、不動産価格がどんどん上昇し国民全体が熱狂しました。しかし今は不動産バブルがはじけてゴーストタウンが中国のあちこちにあります。

「トレンド」で気をつけないと行けないのは「我を失う」ことです。「熱狂の中には身を置いても、心の中では醒めて一歩外から傍観している」ような冷静さが必要です。

これは何も投資に限ったことではなくて事業でもそうですが。

このトレンドへの繊細な感覚は日本人も男女問わず敏感です。外国人のファッションセンスなどを比較しても日本人はみなとてもこなれています。

 

これらが投資機会ですが、当然リスク管理も必要です。そのリスク管理で特徴的なのはイスラム教国の人たちです。これらの国は原則的に「イスラム金融」を採用しています。イスラム経済圏には世界人口の1/4の19億人がいて毎年2兆ドルを消費して、金融の規模も3兆6千億ドルに達しています。

 

教義で4つの禁止が決められていて、利子(リバーriba)、賭博や投機行為(マイスィルmysir)、豚肉や武器の取扱い(ハラムharam)、そして不確実性のリスク(ガラルgharar)が禁止されています。ガラルとは「自覚せずに自身と自らの財産の破滅を明らかにする」という意味ですが、聖典クルアーン第2章「雌牛」219節で酒と賭矢はアラーが罪と決めていることに由来しています。賭矢は矢を使ったくじで大きさの異なる肉の分配を決めるゲームで、公平や公正を重んじるイスラム教では認められていません。

 

現代の世でも「利子も投機もリスクテイクもダメなの?」と思うかもしれませんが、教義に則りガラルを構成する2つの要素を排除した取引はゴルム(ghorm)という概念で容認されています。

 

ガラルを構成する2要素とは「知識不足」と「取引対象物の不在」です。取引対象物の不在とは簡単にいうと「マネーゲームで、先物オプション取引と呼ばれる取引手法は禁止です。例えば、商売で仕入れの際に売れる保証がないことや在庫中に不具合が発生するリスクなんかは売買に必ず内包されるべきリスクなのでゴルムとして容認されています。別の言い方をすれば「市場リスクやシステマティックリスクはOK」なのです。

 

禁止事項があるから、逆に知識を蓄え、実際に存在して確認できるモノのみに投資するという堅実な行動をすることでリスク管理のレベルを上げていると言えます。

日本人は、ややお人好しな面があるので、このリスク管理はちょっと甘いかもしれません。しかし、江戸時代から識字率が世界一高いので知識を蓄えることは得意です。あとは堅実な行動での経験値だけかもしれませんね。